ジャズとコーラス |
(27) 50年代のポップ・コーラスが生きている | |
2004年4月21日にPBS(Public Broadcasting Service)Specialの公開のコンサート「Magic Moments - The Best of 50s Pop」がニュージャージーのAtlantic City のTrump Taj Mahalというカジノリゾートで収録され、後日、各地のローカル・テレビネットワークにこの番組が流されたそうです。そこに当時のポップコーラスのオリジナルメンバーたちが集まってきたのです。おそらくこんな事は初めてで最後のことと思います。 2004年6月12日にはニュージャージーのNJN Public Television で放送されたという記事がありました。 「みんな、昔の名前で出ています」 なんだか、嬉しくなりました。後日、このビデオがAmazonから購入できました。それを見て追記をしたり、写真を差し替えたりしました。(2006/6記) |
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■ THE
CREW CUTS ■ |
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The Crew Cuts, 2004 |
オリジナルのクルー・カッツが3人で"SH-BOOM"を唄いました。右からPat Barrett, John Perkins, Ray Perkinsらしいです。Rudy Maugeriは収録の翌月に73歳で亡くなったそうです。このときは既に悪かったのでしょう。3人でも素晴らしい乗りでした。 われわれは少年時代に「シュブン、シュブン」って唄っていただけでなく、今もOZ SONSのレパートリーです。 Crew Cutとは短い坊主頭を言います。Yaleのボート部の連中(rowing crew)が坊主カットだったことが由来です。 |
■ THE DIAMONDS ■ |
ダイアモンズもカナダのグループです。「リトル・ダーリン」が大ヒットしました。じつに歯切れがよかったです。 この写真を見て思ったとおり結成当時のメンバーでした。1994年に復活していました。左から、 2004年の10月に右から2番目のBassを唄っていたBill Reedが癌で亡くなったそうです。残念ですねぇ。 現在は新グループが活動中です。 |
The Diamonds, 2004 |
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THE FOUR PREPS ■ |
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フォー・プレップスは「26マイル」が大ヒットでした。 オリジナルのメンバーが2人いるようです。リードのBruce Bellandは左から2人目、Glen Larsonは3人目です。その2人に、一番左はThe AssociationのリードだったJim Yester、一番右はDiamondsのDave Somervilleを加えて唄いました。 最近はYester、Belland、Somervilleの3人でTriple Goldというグループ名で唄ったりしています。 Four Prepsとしては30年ぶりのパフォーマンスだったということです。2007年に再結成しました。 |
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THE FOUR ACES ■ |
フォー・エイセスもすごい貫禄です。このグループが現役です。でも、ここにはオリジナルメンバーはいません。白髪のFred Diodatiは50年代から唄っていましたから準オリジナルです。 "Three Coins in The Fountain"とか"Love Is A Many Splendoerd Thing"は一世を風靡しました。両方とも唄いました。 当時のポップコーラスのハーモニーはシンプルで、テンションだの何だのといった込み入った和音はジャズコーラスのようには使いません。それが、ポップコーラスのアレンジの特徴です。 |
The Four Aces, 2004 |
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THE FOUR LADS ■ |
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左端のFrankie Busseriには見覚えのある方もいるのではないかと思います。日本にも何度も来たオリジナルメンバーのリーダーです。コンサートの最後にはネクタイをゆるめながら"The Party Is Over"のソロを唄っていました。 あとの3人は後になって加わったメンバーですが、結構永いことこのメンバーです。現在もこのグループでツアーをしています。 "Istanbul"は1953年の大ヒットです。日本では伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズが真似をして唄っていたのを覚えていますか。 |
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THE FOUR COINS ■ |
フォー・コインズもオリジナルメンバーが集合したようです。George Mahramas, Michael Mahramas, James Gregorakis, George Mantalisがオリジナルメンバーです。名前と顔の対応がつきません。中2人が兄弟だと思います。 "Shangri-La"はいい歌でした。Top10には一歩とどかなかったようです。 Four Freshmenがこの歌をカバーしたのですから、どんなにいい歌だったか想像がつくと思います。ポップソングというよりスタンダード・ジャズのメロディーとコードの匂いのする歌です。 |
The Four Coins, 2004 |
■ THE McGUIRE SISTERS ■ |
「この娘たちは誰だ?」 「マクガイア・シスターズです」 「ぎょぎょっ!」 3姉妹は1926年から1931年の生まれです。年が勘定できるでしょ。 そんなトシに見えますか。オリジナルのご本人たちなのです。この写真を見て、 わたし・・・は、おったまげました。 写真をクリックしてご覧。 |
マクガイアは17年のブランクの後に、1985年ラスベガスで復活したのですが、この若さは恐ろしいくらいです。体形も変わらず物凄いですね。その上、コーラスはぴかぴかです。誠に上等です。ヒットソングをメドレーで"Sugartime"や"Sinserely"などたっぷり聞かせます。1999年まではラスベガスでよく唄っていたようです。本章の(12)にマクガイアのページがあります。 日本でもスリーグレイセスは22年のブランクの後に復活し、現在でもライブやコンサートをやっています。グレイセスはマクガイアの約10年年下です。グレイセスはマクガイアの写真を見てすごい刺激を受けているそうです。そうだろうと思います。今度、ビデオも見せます。 見せました。「私たちも70になっても出来そうね」と言っています。「うぇー!」と仰け反っているのは、プロデューサーの忠Gです。 |
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ちなみに、NJN Public Television のプログラムをお目にかけましょう。日曜日の夜8時から10時までの2時間番組だそうです。いやー、見てみたいものです。この事を知ってから何日か後に見ましたよ。
パット・ブーンとパティ・ページの写真もおまけにお見せします。 |
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Pat Boone, 2004 |
Patti Page, 2004 |
このページを見て懐かしがっている人がいることと思います。わがオージーサンズの小島は94年にラスベガスのダウンタウンのホテルで、4 Acesと4 Ladsのジョイントのショーを見てきたそうです。このときのメンバーと同じだったのではないかと言っています。チャージが11$で、タクシー代のほうが高かったそうです。 50sのポップ・コーラスが懐かしい方は是非このDVDかVideoを見てください。50年タイムスリップします。 |