歌をつくる人にまつわる話
The Story of Songwriters

(48) Isham Jones You've Got Me Cryin' Again


Isham Jones(1894 - 1956)

オハイオ生まれの古い時代のバンドリーダーでコンポーザー。私が、ジョーンズの曲をはじめて聴いたのが、”You've Got Me Cryin' Again”(1933)でした。1958年、高校3年の時、フォー・フレッシュメン(Group #3)が歌っていたのです。

レコードのライナーノーツには、Newman/Jonesとだけしか書いてありません。後々まで分からないままでした。また、若いうちは誰が書いた歌かなどはそれほど執着がありませんから、忘れていました。

それが、50代になると人が変わってきました。誰が作った歌なのかが「大事なこと」になりました。それで調べ出すようになりました。

1990年頃に、Dolly Bakerが”It Had To Be You”をよく歌って聴かせてくれました。この歌はIsham Jonesの初期の歌で1924年に出しています。私もDollyのバージョンで歌いました。

それから何年かして、ふと「もしかしてJonesってIsham Jonesのことではないか?」と、脳みそが言い出しました。それが当たりだったのです。

これは、現在のFour Freshmen(Group #22)の”You've Got Me Cryin' Again”です。

The Four Freshmen performing at the FF Society Convention in Atlanta, Ga, Aug. 2009.

    

”It Had To Be You”は1924年のヒットチャート#1を4週続けています。翌年には”I'll See You In My Dreams”で7週間#1でした。

また、Isham Jonesは自分のオーケストラのリーダーでした。


Isham Jones in 1922

ジョーンズがビクター・ヤングに”Stardust”をミッド・テンポのインスト・バラードに編曲するように促して、1930年にレコーディングしました。Victor Youngのバイオリン・ソロの入った、このレコードはベストセラー・レコードとなりました。

ホーギー・カーマイケルの”Stardust”をビクター・ヤングが編曲して、アイシャム・ジョーンズ楽団が演奏というのは面白いお話です。ご存知でしたか?聴いてみたくなりませんか?聴けば、「ああ、このバージョンか」と思われる方が沢山いるはずです。

⇒ Stardust by Isham Jones

昔、インスト・バージョンはこのレコードがかかっていました。おそらくこのレコードに啓発されてルイ・アームストロングはレコーディングしたのではないかと思います。サッチモ1931年の”Stardust”と聞き比べてみてください。通ずるところがあると思うのは私だけではないはずです。

この楽団にはゴードン・ジェンキンスが若きアレンジャーとして雇われていたのです。(2010/12/22)

    


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