歌をつくる人にまつわる話 The Story of Songwriters |
(34) Johnny Mandel The Shadow of Your Smile |
Johnny Mandel(1925- ) |
一つ前の項でジョニー・マンデルの名前が出てきました。その他のページでも彼の名前がたくさん出てきます。改めて独立したページを書いて置くことにします。 NYC生まれで、12歳のときにビッグバンドのアレンジを始めたというのですから驚きです。「栴檀は双葉より芳し」とエリントンの稿で書きましたが、ジョニー・マンデルにも同じ諺がぴったりです。 表題の”The Shadow of Your Smile"は1965年の映画「いそしぎ」の主題歌です。作詞はPaul Websterによるものです。Tony Bennettの歌が最初です。その時点では大ヒットにはなっていません。映画はリチャード・バートンとエリザベス・テーラー主演です。 |
この歌はオスカーとグラミーを同時にとってしまったジョニー・マンデルの代表曲です。 朝鮮動乱での陸軍移動外科病院(Mobile Army Sugical Hospital)を題材とした、M*A*S*Hという映画、後にTVシリーズが1970年ころにアメリカではやっていたのですが、その主題歌"Suicide Is Painless"がアメリカではヒットしていました。きわめてへんてこなタイトルです。「自殺は無痛」という歌は日本にはありません。 いそしぎのコンビで書かれた"A Time For Love"やJohnny Mercerとの"Emily"なども、派手さはありませんが奥行きの深い歌です。トニー・ベネットがよく唄っていました。 オーケストラの編曲でも非凡です。1992年、ナット・キング・コールの"Unforgettable"にナタリーの歌をかぶせた編曲には多くの人が度肝を抜かれました。そのグラミー賞授賞式の様子がテレビで放映されていたのを覚えています。その翌年に、シャーリー・ホーンの唄った"Here's
To Life"も編曲でグラミーを獲得しました。もともとはJoe Williamsが唄おうとしていた歌ですし、さらにその前はシナトラがレコーディングすることになっていたという曰くつきの歌です。2008.3.19 |