１年半ほど前、わがOZ SONSの小島からミリー・ヴァーノンMilli Vernonについて問い合わせがありました。

At 13:59 05/10/28, you wrote:
若Ｇ
ミリー・ヴァーノンという歌手をご存知でしょうか？
１９５６年の隠れ名盤とかで、ＥＶＥＲＹＴＨＩＮＧ　ＢＵＴ　ＹＯＵ
ＭＯＭＥＮＴ　ＬＩＫＥ　ＴＨＩＳという曲を歌ってるそうです。
沖縄の人に尋ねられていてＣＤ（廃盤になってるらしい）を探したいとの事なので、もしご存知ならばと思いメールしています。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小島

26歳のときにレコーディングされた”Introducing”をというLPが徳間から99年にCDとして復刻発売されたのですが、間もなく徳間が洋楽から撤退することになって廃盤になってしまったのです。

ジャズボーカルのマニアに間では、このLPやCDが「幻の名盤」ということになり、中古市場に出ると２万円とか３万円という値段がついていました。このLPが向田邦子さんの愛聴盤として、77年に雑誌クロワッサンに紹介されていることで有名になっていたのです。

中古市場をあさりました。2件ほど見つけたのですが、結局は古い情報ですでに品物はないという状況でした。

問い合わせの２曲が入っているオムニバスのアルバム「カフェ・リラクゼーション~ストーリーヴィル編」があることがわかりましたが、これも廃盤で購入できませんでした。ミリー･ヴァーノンのアルバムは文字通りの「幻」でした。

その時、この話を友人の宮尾さんに話していたのです。宮尾さんはジャズの情報通で、いろいろな情報を爵士樂堂に教えてくれる大事なお方です。今晩、その宮尾さんからミリー・ヴァーノンの再復刻CDを買って聴いたというメールが飛び込んできました。

驚きましたねぇ。この幻の名盤が再復刻されて売り出され、向田邦子さんの愛聴盤だった話が30年経ってからNHKのテレビで紹介され、大ブレークしているとの話です。

このような地味なジャズボーカルのCDが品薄になるほどの売れ行きなのだそうです。

「このような超マニアックなジャズボーカルアルバムが売れるということはまだ日本の音楽ファンも捨てたもんじゃない」とは、宮尾さんの感想です。みなさん、バップ以前のジャズ歌手の歌です。（2007/3/16追記）