ジャズと雑学

(23)  錫鍋小路 Tin Pan Alley

Tin Pan Alley

ポピュラー音楽の作曲家や作詞家を抱えた軽音楽出版ビジネスが1890年代半ばから盛んになりました。これをTin Pan Alleyと呼びます。譜面、ポスター、絵葉書などを売っていたのです。

ニューヨークのブロードウェイと6th Avenueの間の西28番街には、このような出版社がたくさん集まって来ました。そこで、この辺りを"Tin Pan Alley"というニックネームで呼ぶようになりました。

数十年続いたTin Pan Alleyも1954年、Bill Haley and His Commetsの"Rock Around The Clock"、1956年のエルビス・プレスリーの"Heartbreak Hotel"のレコードが爆発的にヒットし、これを境にしてTin Pan Alleyは廃れていきました。

Billboardの#1を走っていたRock'n Rollを1位の座から引き摺り下ろしたのがミッチ・ミラーです。ご存知でしたか?私は痛快で気持ちがよかったです。”Sing Along”です。Let Me Hear A Melody♪と日曜日ごとに聞こえてきました。

さて、Tin=錫、Pan=鍋、Alley=小路、という命名は、Monroe Rosenfeldという新聞作家によるものです。 音楽出版社にはデモンストレーションにピアノが置いてあり、夏ともなろうものなら窓が開けっ放しですから、Tin Panをたたき鳴らすような騒音の街だったのです。

 
このTin Pan Alleyという語が新聞にRosenfeldによって書かれたのは、20世紀になったばかりのころだといいます。

右の写真が出版社のデモルームの様子です。

あのガーシュインが10代の頃、ピアノで楽譜の試演をして働いていたという話が伝わっています。


Demo-room

    

東京にもTin Pan Alleyがありました。

中野区の「鍋屋横丁」は有名です。わっはっは。


作成:爵士樂堂主人


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