歌と歌手にまつわる話

(12) ハンガリーの歌 Gloomy Sunday 
(in English


Carmen McRae (1920-1994)

佐々木俊明 画

めずらしくハンガリー人の作になるものです。カーメンはこういう歌を自分のレパートリーに入れるのがうまい歌手の一人です。他の人が唄わない歌をよく唄っていますよね。

ライブハウスでのカーメンはトリオかカルテットでピアノの弾き語りをやります。それがじつにカッコいいのです。ピアノだけ弾いていてもすごいと感じます。当たり前です。はじめはピアノが本職だったのです。

1944年にビリー・カーター楽団の専属になり、唄うようになったのです。しかし、後のカーメンとはまったく違った時代だったといえます。カーメンの歌が真価を発揮したのは、1950年代に入ってからのことです。ビリー・ホリデーの影響をすべて吸収し、ビ・バップに彼女のスタイルを見出したようです。

カーメンは「煙草をやめろ」といわれても断りつづけ、肺気腫となり1991年に引退を余儀なくされました。本当だったら、まだまだ唄えてよい歳なのです。そうか、わたしも今のうちに「もう一度」煙草を止めようかしら。本気で考えます。16年もやめていたことがあるのです。

それが、2004年の暮に1週間の入院をきっかけに、煙草を止めました。もう、吸うことは無いと思います。

    

 

You Tubeにその弾き語りがありました。

2曲目に”A Hundred Years From Today”があります。珍しいですね。Victor Youngが映画音楽を書き出す前の1933年の歌です。その昔、Jack Teagarden、Maxine Sullivan、Joe Williamsらが歌いました。Dolly Bakerもお得意のナンバーでした。私が行くと必ず歌ってくれました。


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