歌をつくる人にまつわる話
The Story of Songwriters

(23) 改めてシナトラに痺れる   You And Me We Wanted It All)


Frank Sinatra(1915-1998)


Peter Allen(1944-1992)

シナトラの20年ほど前の"Sinatra Trilogy"という3部作、つまり「過去・現在・未来」と題したアルバムがあります。最近になって掘り出して惹かれた歌です。あまりによかったので「今ごろ知ったか」といわれるのを承知で書いているのです。

Carol Bayer Sager と Peter Allenが2人で書いた歌ですが、ピーター・アレンは1944年、オーストリア生まれで、ジュディ・ガーランドがオーストリアに行ったときに見つけたボーカル・ピアノのソング・ライターです。ジュディ・ガーランドが彼をアメリカに呼び寄せたのです。

60年代の終わり頃にライザ・ミネリと3年ほど結婚していました。


さて、この歌はロック系の歌なのですがあまりヒットした話を聞きません。まったく聞いたことがなかったのですが、シナトラのいくつかの歌を彷彿とさせるものです。"Let Me Try Again," "My Way," "All The Way"などといった大ヒットの匂いもちらちらしますが、それほど派手ではないのが、心にしみわたるのでしょうか。ドン・コスタの編曲・指揮で切々と歌い上げています。改めてシナトラに痺れています。歳のせいでしょうか、それとも人の話題に上がらないものが趣味なのでしょうか。

ゆっくりと聴いて見てください。きっと素晴らしい歌を最高のパフォーマンスで唄っていると思われるでしょう。ただし、難しそうです。

ピーター・アレンは48歳の若さでAIDSで死にました。


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