歌と歌手にまつわる話

(66) 新進歌手 Craig Thompson Me and My Shadow
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Big-T, Craig Thompson(1964- )
テキサス・ダラスの生まれ、海軍の兵役時代に来日、相撲選手として毎週稽古を積み、インターナショナル・アマチュア相撲大会ではアメリカ代表となりました。当時は400ポンドの巨漢。引退?後、一年間で200ポンドも減量し、それから自分のビッグバンドを編成し、歌手になったという変わった経歴の持ち主。Big-Tはニックネーム。

1999年頃から数回東京に来て銀座SWINGのライブ、日比谷野外音楽堂などで1千人をこえる人も集めて野外ライブをしたり、アメリカ大使館のパーティ、マリーンの結婚パーティなどにも呼ばれています。いわゆるパーティ歌手とでも言ったら当たりだと思います。

正統派のスタンダードからブルースまで、幅広くヒットソングを聴かせるエンタテナーです。

2001年10月に爵士樂堂のページをアメリカから訪問してきたのです。ゲストブックにご丁寧に記帳をしてきたので返事を書きました。それからメールの交換が始まりましたが、とても真面目で礼儀正しいアメリカ人と見受けました。12月には東京でライブがあるというのです。
彼は盛んにお客が集まるかどうかを心配していました。25人集めてやりました。大感激しました。

「お父さんか、お兄さんみたいだ」

おまけに歓迎レセプションだといって、赤坂のLittle MANUELAに30人が集まり彼を激励しました。歌手になるのが遅かったので、まだ経験の浅いフルバンド歌手なのですが、どんどん上手になっています。年が明けて4月に来日しましたが、発声に超速の進歩が見られました。
嬉しいじゃありませんか。高名なジャズ評論家、瀬川昌久さんがCraigの歌を聴いて大変高く評価してくれました。瀬川さんも私が感じたのと同様に「彼は人間ができている」とおっしゃっていました。
 

Big-T & wakaG, Shun Miyazumi(p) and Makoto Arai(b) at Little MANUELA
われわれ2人にはデュエット曲があります。60年代にフランク・シナトラとサミー・デイビスJr.が掛け合いで唄った"Me and My Shadow"という乗りのりのスイングです。昨年、クレッグがこれを二人でやろうといって譜面を送ってきたものです。
一緒に唄うのは2度目ですが、この日は東京で2日連続のライブの翌日で、すでに声をつぶしていました。そうだろうと思って伴奏の譜面はキーを一音下げたものを用意しておきました。いや、高音のサミーのパートをやる若山にとってはその方が楽なのです。

今年の5月はイギリスのエリザベス女王陛下の在位50周年記念にあたります。そのゴールデン・ジュビリーにBig-Tは招かれたのです。きっと、彼は有名な歌手になってくれることでしょう。

何てったって400ポンドですからね。(注:1ポンド=453グラム)

 

2002.10.22 Big-TのデビューCD"Born to be Wild"が発売されます。それを含めて最近の活動を知らせるメールが来ました。

ダラスのBeau NashにBig-T & Bada Bingsが出演すると書いてありますが、Beau NashはダラスのCrescent Court Hotelにある有名レストランで、料金はExpensiveだそうです。

2007年の7月にBig-Tの愛妻レスリーが早苗さんのところに送ってきた最近の写真です。

カリフォルニアの友人を訪ねたときの1コマを撮ったものです。

Craig版の”Bella Notte”だそうです。古い話ですが分かりますか?ワンワン物語ですよ。


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