ジャズと雑学 |
(20) 真夏の夜のジャズと煙草 Newport Jazz Festival (in English) | |
Newport, Rhode Island, U.S.A. |
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アメリカが新興国家から世界の大国へと歩みを進めたころ、桁外れの大富豪が生れ、彼らは鉄鋼王、鉄道王、炭鉱王などと呼ばれました。 大富豪たちは避暑のための別荘地に、ニューヨークから車で3時間ほどの東海岸の瀟洒な町 Newport を選んだのです。Newport はアメリカで最も由緒ある避暑地となったのです。 ヨーロッパの皇族や貴族たちも、この地に招待されてパーティが開かれたと言うことです。驚くじゃあありませんか。記録によると、一晩の出費が当時の金で20万ドルという400人のパーティがあったというのです。今の金額にしたら「うん億円」という感じでしょう。 |
ジャズ・フェスティバルは、"Newport Jazz Festival"がここNewportで1954年に始まり有名になりました。さらに1959年には’58年のNewport Jazz Festivalの模様を映画にした「真夏の夜のジャズ Jazz on A Summer's Day」が公開されました(日本では’60年)。今は亡きサッチモをはじめ偉大なジャズメンが登場し、40年経った今も多くの人々に感銘を与える映画です。 ジャズ・フェスティバルはコンサートとは違い、より多くの人達が楽しめるように屋外で開かれるものです。私が「ジャズの歴史博士」と呼ぶ鈴木英夫さんの資料によると「ジャズ・フェスティバルとは場所を決めて、定期的にかつ継続して開かれるものをいう。1946年にジャズフェスの原型がオーストラリアのメルボルンで現れ、1948年にはフランスのニースでサッチモらを招いて開かれたものが皮切りである」ということです。 |
Documentary Movie (1959) |
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そもそもNewport Jazz FestivalはLouis Lorillard夫妻が、ニューヨークで「ストーリーヴィル(Storyville)」というジャズハウスを経営しているGeorge Weinに話を持ちかけ実現したものです。Lorillard家は煙草産業で財を成し、"Millionaire"という語が初めて使われた大富豪です。KENTを吸っている方はLorillard Tabacco Companyにお金を払っているのです。LorillardにはNewportというタバコもあります。これを吸っているとジャズ通になります。試してみますか? 古い話ですが、KENTのフィルターにはアスベストが入っていることがわかり、問題になったことがあります。ご存知でしたか?味が悪かったのはこのせいだったのしょうかねぇ。 |
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いやぁ、ジャズは生れも育ちも卑しい音楽ですが、Newportと結びつけると何となくハイ・ソサイエティになったような気分が漂ってきませんか。 |