ジャズと歴史にまつわる話

初のジャズ・レコード誕生物語 ODJB
- English version -


The Original Dixieland Jass Band
Leader, cornet :Dominic James "Nick" LaRocca
(1889-1961)

1917年2月26日に、初めてジャズのレコードがVictorによってリリースされました。

Original Dixieland Jass Bandの
"Dixie Jass Band One Step"と、裏面には
"Livery Stable Blues"
です。その年の内に世界中にヒットしミリオンセラーとなりました。

その前の年、Victorがトランペットの名手、フレディ・ケッパードにレコーディングの申し込みをしたのですが、彼は「そんなことしたら、自分のフレーズが人に盗まれてしまわぁ」といってケッパってしまったそうです。名前がまずかったのでしょうか。


こんなことで「世界初のジャズ・レコード演奏者は・・・」と歴史に名が刻まれなかった名人がいたのです。

不思議なことにODJBのメンバーは、イタリア移民2名、アイルランド移民1名、そしてイギリス移民2名のヨーロッパ移民バンドなのです。それがニューオリンズ・サウンズあるいはそれを超える演奏をしていたのです。もっとも、オリジナルのアメリカ人はインディアンですからね。

じつは、じつは、同年の1月に別の曲が既にColumbiaで先にレコーディングされていたのですが、セッションが良くないというので、もう一度レコーディングし直しとなり、コロンビアはビクターの後塵を拝することになりました。早い者勝ちとはこのとです。



J. C. "Jimmy" LaRocca
(1939- )


Current ODJB, 1997

(the cornet Jimmy is holding is the same one his father played)


さらに、さらになのですが、何年か前にODJBの名を騙(かた)るバンドがニューオリンズに現われました。

「なんてぇこった」

とえらい騒ぎになったのですが、何とこのバンドリーダーは80年前のバンドリーダー Nick LaRoccaの長男、J. C. "Jimmy" LaRoccaだったのです。

ODJBの再来となり、97年から98年にかけて、アメリカの新聞や雑誌で名実ともにすごいと絶賛する記事がたくさん書かれているのです。

いやあ、ドラマチックですなあ。

98年11月27日に横須賀でパフォーマンスを見せたという記事がありました。おそらく横須賀の基地で演奏したのでしょう。

「えい、なんてぇこっちゃ!!」


Current ODJB

2002.10.16に現在のODJBのマネージャー、David Hansen氏からメールが飛び込んできました。これまた、驚きです。このページを探し当ててのことです。かれは現在もODJBのドラマーです。

日本語のページを見たのでしょう。「自分には読めないけれどODJBをプロモートしてくれて有難う。また、日本で皆さんに聴いてもらいたい」

という内容です。英語版が検索で出てこなかったようです。教えてあげました。

どこかでライブをやらせるように、これから仕掛けたいと思います。みんなで聴きに行きませんか?

新しいSiteの写真や記事を自由に使ってほしいとの申し出まであります。まずは現在のODJBの写真です。その後のDavidのメールにはオリジナル・メンバーの詳細が書いてありました。私が書物で調べたところでは、5人ともヨーロッパ人と書いてありましたので、先日までのページでは、そのように書いておきました。しかし「アメリカ人なんだよ」とDavidからのメールです。

The brief note: The musicians in the band were Americans. All had parents of European immigrants or European Decent.

Dominic James "Nick"LaRocca(cornet/leader) was born on April 11, 1889 in New Orleans and his father was from Salaparuta, Sicily.
Edwin (Eddy) Edwards(Trombone) was born on May 22, 1891 in New Orleans.
Larry Shields(Clarinet) was born on September 13, 1893 in New Orleans.
Henry Ragas(Piano) was born (possibly?) in New Orleans.
Anthony Sbarbaro; known as Tony Spargo(Drums) was born on June 27, 1897

というわけです。

ODJB SITE

 
2002年12月19日にDavidからメールが届きました。ODJBからのSeasonal Greetingです。うれしいですね。そのメールには以下のようなムービーのファイルが添付されていました。Windows Media Playerで見ることが出来ます。
ODJB Jimmy Larocca Greeting

2008年の年賀状をJimmyに送りました。Jimmyはすぐにメールをくれて、最新の写真を添付してくれました。

嬉しいじゃありませんか。

PROFESSOR KUNIHIRO WAKAYAMA:

THANK YOU FOR THE DRAWING. I HAVE SAVED IT TO MY PHOTOS IN MY COMPUTER AS I DID WITH THE OTHERS.
MAY THE NEW YEAR BRING YOU JOY, HAPPINESS, SUCCESS IN EVERY ENDEAVOR YOU PURSUE.
MY BEST WISHES FOR YOU IN THE COMING YEAR AND BEYOND.


BEST REGARDS
----JIMMY LAROCCA----

 

Jimmy LaRocca's Original Dixieland Jazz Band
Live at the Kennedy Center in Washington, DC on August 4, 2002

このビデオクリップは08/11/4にYou Tubeに投稿されました。


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