歌と歌手にまつわる話

(146) シナトラとSing Sing Sing


Shin'ichi Hashimoto

Lighthouse Orchestra(LHO)が2012年の1月22日にディナー・ショー”LHO Plays Frank Sinatra”を開催することになりました。

当日は全曲シナトラ・ソングをプログラムを組んでいます。

ところが、アンコールにLHOの極めつけ”Sing Sing Sing”を演奏したいといいます。ところが、この歌はシナトラが歌っていません。

伸ちゃんからメールが来ました。

「何かシナトラとSing Sing Singにまつわるエピソードをご存知でしたら教えていただこうと思いご連絡いたしました」

困った相談がきました。先ずは、片っ端からシナトラのレコードやCDを調べてみました。見つけましたよ・・・
 

手許にあるシナトラの2枚組みのCD(Soundtrack In CBS Mini-Series)の1枚目に”Sing Sing Sing”が入っているのです。申し上げたとおり、シナトラの歌はありません。例の12分のGoodmanのが入っています。ジーンクルーパが伸ちゃんみたいに太鼓叩いています。

Sinatra + Sing Sing SingでAmazonを検索すると、このCDが出てきます。よく知らない人はシナトラが歌っていると思い買ってしまったりするでしょう。聴いてみたらグッドマンの演奏だけでシナトラの歌は入っていないのです。何の悪意も無いのでしょうが、たまたまCBSで放送したシナトラの番組でグッドマンのレコードを流したものと思われます。

そのCBSの番組の録音でも聞ければ何か分かるのかもしれませんが、それは座っていて探すことは無理というものです。

シナトラを表舞台に引き上げたのはハリー・ジェイムスです。それで、シナトラはスター街道を歩き始めたのです。ハリー・ジェイムスはグッドマン楽団のトランペッターでしたが、独立してからは”Sing Sing Sing”を一度も演奏をしていません。シナトラはハリー・ジェイムスに義理を果たしたのでしょうかねぇ・・・何とか、シナトラと”Sing Sing Sing”をこじつけることが出来ました。

    


  Index       Previous Next