FRIENDS OF OZSONS


Harvey Thompson(1956- )

HARVEY THOMPSON

デトロイト出身の異色歌手。異色というのは、もともとは公式パーフェクトゲーム3回という記録を持つプロボウラーだったのだ。足首を怪我して歌手に転向したという変り種だ。

2002年に大阪に移住し、関西中心にライブ活動を始めた。

2003年に初めて東京でライブをやることになった。故郷のデトロイトからベテラン女性ジャズ歌手、Jo Thompsonがやってくることになり、そこにHarveyも呼ばれることになったのである。

赤坂Bbのオーナー、杉谷さんは生前中、私に聴かせたい歌手が来るときには必ず呼んでくれた。私の好きな歌手をよく知っているのだ。
 

このときもそうだった。私に聴かせたい歌手が2人揃ったのだ。1時間ずつのステージだった。Jo Thompsonはもちろん素晴らしいのだが、私はHarveyの歌に固まってしまった。

”Here's To Life”という日本の歌手があまり知らない、歌わない歌がある。80年代中頃にArtie Butlerという男が書いた歌なのだ。出来上がったばかりのこの歌をArtie ButlerがLas VegasでJoe Williamsに最初に歌って聴かせた。Joeは立ったままボロボロと泣いて「もう一度歌ってくれ」と言ったという。その後、Joe Williamsはこの歌を行く先々で歌い続けたのだが、彼のテープを聴いたShirly Horneが先にCDを発売してしまった。それがグラミー賞まで取ってしまった。Joeは怒ったが既に手遅れ。とにかく、曰くつきの歌だといってよい。

Harveyはこの”Here's To Life”を歌った。私はひっくり返ってしまった。これがHarveyとの出会いだった。

今では、東京に引越してきてライブ活動を始めたのだが、まだ、東京のジャズファンには名前を知られていない。マネージャーのRemiはHarveyの名前を売り出そうと必死になっている。もう、来日10周年を迎えたのだ。

今年は7月初旬にヨーロッパに飛ぶ。各地でライブ活動をして8月下旬にはアメリカにわたり、8月31日〜9月3日に開催されるDetroit Jazz Festivalに出演する。そのメンバーは、こんな具合だ。故郷に錦を飾ることになった。(2012/5)

 Here's To Life

 Harvey's Special Live at Shidax

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