笈田
敏夫
愛宕山にNHKが開局した年、1925年2月21日ベルリン生まれの笈田さんは、わかGの幼稚舎からの先輩です。1925年とは大正14年です。
周知のように、笈田さんのニックネームは「ゲソ」といいます。3つばかりの説があるそうですが、真相はこうです。
日本では公開されなかったアメリカ映画That
Night In Rio (1941)で唄われた"They Met in Rio"という主題歌の歌いだしの歌詞が"This
song of love begins ..."と。
当時、16,7歳のころに、この歌をポス宮崎ほかでレコードに吹き込んだものを「アメリカのレコード」と言って売ったら、よく売れて大儲けをしたそうです。
ある男がこの歌を渋谷の喫茶店でリクエストして、2世の女性に聴かせて歌詞をとらせようとしたところ、「ゲソのラビギ…」とか「ゲソのラビンス…」としか聞こえなかったというのです。その場に、笈田さん本人がいたらしいのですが、自分が歌ったとは言えない事情もあったわけです。
笈田さんのマネージをしていたアガサスの元社長、藤原忠Gは三木鮎郎さんから聞いた話とゲソ爺本人の書いていることを元に話してくれたものです。本人が書いたと言うので嘘はない。いや、だから怪しいといった話も出ているそうですが、それらすべてを含めて教えてもらった、今はご本人にも三木さんにも確かめることも出来ない「ゲソにまつわる話」です。
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