歌と歌手にまつわる話

(84) アニタ・オデイの想い出 Sweet Georgia Brown

Anita O'Day(1919-2006) at Newport Jazz Fes., 1958

アニタ・オデイAnita O'Dayが2006年11月23日ロサンゼルスの病院で眠りながら亡くなりました。87歳でした。

アニタは歌のレッスンを一度も受けたことがありません。彼女はそれを誇りにさえ思っていたそうです。

1958年のニューポート・ジャズフェスティバルに登場したアニタの”Sweet Georgia Brown”の強烈な印象は誰もが忘れることが出来ません。

1959年に「真夏の夜のジャズ」が映画化され、世界中の人がアニタにびっくり仰天したのです。

この1曲はその後のアニタの不動の地位を確立するエポックとなったステージだったと思います。

1940年代の初めには、ジーン・クルーパ楽団の専属歌手であったことで有名ですが、スタンケントン楽団にもいました。何と言ってもあの強烈なスイングとジャジーな歌い方は真似をすると怪我をしそうなくらいです。

13年ぶりにアニタの最後のアルバムIndestructible!(不滅)が発売されています。なんと86歳のレコーディングです。右の写真はピアノ伴奏をしたLafayette Harris Jr. です。

86歳のおばあさんのレコーディングには驚きます。

アニタの歌は誰の歌よりもジャズっぽく聞こえます。難しいアレンジをいとも簡単に歌ってしまいます。よく聴いたものです。ごく最近まで、ライブで歌っていたという話で、そのビデオが撮られていて来年くらいには発売されるのではないかという記事が出ています。楽しみですなぁ。

生まれついてのジャズシンガーが死ぬまでジャズシンガーだったということです。

ご他聞にもれず、アニタも麻薬中毒、アルコール依存症で病院にも入れられましたし、刑務所にも入れられました。ドラッグに手を出したミュージシャンは数知れませんが、アニタみたいに長生きした人は珍しいことです。2006.11.23

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